私たちの生活は以前に比べて豊かになりましたが、その代償として自然環境を破壊しています。 

 

そんな環境問題の原因の1つとなるものが、私たちが排出するゴミです。 

 

ゴミが原因となる環境問題とは、どんなものがあるのでしょうか。 

 

ゴミによる環境問題と、ゴミが増える原因をご紹介します。

■ゴミが引き起こす環境問題とは 

ゴミによる環境問題は数多く存在しますが、最終処分場の問題や不法投棄などが代表的なものと言えます。 

 

どんな問題なのか、1つずつ考えてみましょう。 

 

・限界を迎えつつある最終処分場 

焼却したゴミの灰や、燃えないゴミが行き着く場所、最終処分場。 

 

最終処分場は面積の狭い日本には限られた場所しか作れず、残余年数も残りわずかです。 

 

最終処分場が溢れてしまえば、ゴミを捨てる場所が失われ、有害物質が環境中に拡散してしまう恐れもあります。 

 

・世界一多い焼却炉 

日本は焼却炉が世界で一番多い国であることは、意外に知られていないことです。 

 

一番多かった時期は、世界の焼却炉の7割が日本に集中していました。 

 

土地がない日本ではゴミを燃やして処理することは仕方のないことですが、二酸化炭素の排出により温暖化を深刻化させる恐れがあります。 

 

・プラスチックによる汚染も!海洋投棄 

実は1950年代まで日本は、都市部で集めた屎尿を海に捨てることで処分していました。 

 

そのため、東京湾では屎尿による黄色い帯が見られ、黄河と言われるほどでした。 

 

ロンドン条約と言われる、海洋汚染を防止する条約が作られたことで、日本は2007年にゴミの海洋投入を廃止しましたが、世界的に見るとまだ解決したとは言えない問題です。 

 

最近では海に浮かぶプラスチックが生態系に影響をもたらすことも話題になっています。 

 

・消えない犯罪行為!不法投棄 

ゴミは指定された場所に捨てる決まりがあります。 

 

これは人々の生活環境を衛生的に保つためのルールですが、それを破って処分場以外の場所にゴミを捨ててしまう人がいます。 

 

この問題は不法投棄という犯罪になりますが、現状ではすべてを取り締まることができません。 

 

不法投棄は法律を破っているだけでなく、土壌汚染や水質汚染などの環境汚染につながる恐れがあります。 

 

・感染症の恐れも?医療廃棄物 

使い捨てのものが多い医療機器は、ゴミとして排出される量が多いものの1つです。 

 

そのためか、不法投棄が多いという問題があります。 

 

医療機器は、血液や体液が付着しているだけでなく、病原体に接触した恐れがあるものも存在します。 

 

廃棄には規制がありますが、完全になくなることのない問題です。 

 

■ゴミが増える原因は何がある? 

このようなゴミ問題がなくならないのは、ゴミそのものが減らないことにあるのかもしれません。 

 

それでは、ゴミはなぜ増えてしまうのでしょうか。 

 

人口が増加したことはもちろん、日本については1960年頃から1975年頃の間に高度成長期となり、大量生産と大量消費の社会へと変わったことで、家電製品やファッションは次々と新しいものが登場し、古くなったものは捨てられる、という流れが凄まじいスピードで繰り返されるようになったのです。 

 

昔であれば、1つのものを大切にし、壊れても修理して繰り返し使っていましたが、広告や宣伝は新しいものを買うように促し、安くても十分に使えるものがたくさん存在することで、多くの人がものに執着することがなくなってしまいました。 

 

そのため、ゴミも増えてしまうようになったのです。 

 

このままでは、世界中がゴミで溢れかえることになってしまうかもしれません。 

 

私たちはどこかで意識を大きく変える必要があるでしょう。 

 

■3Rを心がけてゴミを減らそう 

このようなゴミ問題を解決することは簡単ではありません。 

 

しかし、私たちでもこの問題を緩和させる方法が、3Rの徹底です。 

 

3Rはリデュース(ゴミを出さない)、リユース(再使用)、リサイクル(再循環)のことで、どれもゴミを減らすことにつながります。 

 

何かを捨てる前に、どうにか3Rによってゴミとして出すことを避けられないか考えてみましょう。