夏になると毎年のように暑さが増しているのは、温暖化が深刻化しているからと考えられています。 

 

温暖化による影響は、気温の上昇ばかりが注目されていますが、それだけではありません。 

 

もし、このまま温暖化が進んでしまったら、環境はどのように変化するのでしょうか。 

 

温暖化による環境の変化をご紹介します。 

 

温暖化が進むと環境はどう変化する? 

それでは温暖化によって変化すると考えられる環境をご紹介します。 

 

・豪雨と干ばつが増加 

温暖化が深刻化することで、豪雨と干ばつが頻繁に発生すると考えられます。 

 

温暖化によって、地球の温度が上がると、海面の蒸発が増えます。 

 

海面の蒸発が増えるということは、雲の発生も多くなり、雨や雪も増えることになります 

 

これによりスコール型の雨も多くなり、洪水や河川の氾濫といった災害も増えると考えられるでしょう。 

 

 その逆に内陸部では水分の蒸発が盛んになるため、干ばつが増えてしまいます。 

 

温暖化は降水が多い地域では豪雨が増え、降水が少ないところでは干ばつが増えてしまうと考えられるのです。 

 

・作物が育たず食糧危機 

温暖化によって気候が変わり、作物が育ちにくくなることも考えられます。 

 

暖かい場所で育っていた作物は育たなくなり、それらが今まで寒かった地域で育つようになることもあるでしょう。 

 

そのような環境の変化にすべての農家が適応できるわけではありません。 

 

そのため、生産性が低下し、食糧危機に陥ることも考えられてしまうのです。 

 

・動物が次々に絶滅か 

地球の平均気温が2度上がってしまった場合、地球生物の15%が死滅すると言われています。さらに、4度上がってしまったら40~70%が絶滅するとも言われているのです。 

 

私たちの生活は多くの動物に支えられて成り立っています。多くの動物が絶滅してしまったら、人間の生活も苦しくなることは間違いありません。 

 

・生態系が狂って植物も減少 

温暖化は気候を大きく変化させていると考えられています。 

 

気候が変化すれば、その地域にいる動植物は、それに適応しなければなりません。 

 

動物であれば、自分たちにとって適切な気候の場所へ移動が可能であることもあるでしょう。 

 

しかし、植物はそういうわけにはいきません。 

 

気候の変化に適応せず、弱ってしまい、枯れ果ててしまうものがほとんどだと考えられます。 

 

また、気候変動によって弱った森林は燃えやすく、火事の原因となります。森林や山火事によって生息地が失われる動植物も少なくありません。 

 

・急激な環境変化も考えられる 

温暖化による環境変化は徐々に進むようなイメージがありますが、急激に起こることもあり得ます。 

 

地球は海洋の循環によって気温をコントロールしています。しかし、温暖化によって北極の陸氷が溶けてしまった場合、その循環に狂いが生じ、熱のコントロールが変わってしまいます。 

 

そうなると、温暖化から氷河期になってしまうことも考えられるのです。 

 

他にも、南極やグリーンランドの氷が崩壊することで、海面が上昇する恐れがあります。 

 

これも、徐々に氷が溶けるのではなく、海上にあったものが滑り出て海中に落ち込んだ場合は、急激な海面上昇があってもおかしくないのです。 

 

海面が上昇した場合、沿岸にある都市、工場、農地が失われてしまうでしょう。人口増加によって居住地域が求められ、食糧確保も不安視される中、このようなことが起これば、人類にとって大きな痛手だと言えるのです。 

温暖化により悪化した環境に適応する必要性 

着実に変わっていく環境の中、私たちはどのような心構えを持つべきなのでしょうか。 

 

それは変化する環境に適応することだと言えます。 

 

食の問題であれば、高温にも耐えられる品種の開発、作付けを気温に適した時期に変更することが挙げられます。気象災害については、ダムや防波堤の構築、避難活動の強化などが考えられるでしょう。 

 

実際に政府は「気候変動の影響への適応計画」を2015年に閣議決定し、気候変動の影響に取り組むことを発表しています。 

 

私たち自身も、変化する環境に適応できるよう、これらの問題に関心を持ち続ける必要があるかもしれません。