地球全体に影響を及ぼす大規模な環境問題と言えば地球温暖化です。温暖化はただ気温が上昇するだけでなく、私たちの生活に多くの影響を及ぼします。

 

その1つが食への影響であり、温暖化によって食べられなくなるものが出てくる恐れがあるのです。温暖化によって食べられなくなる恐れがあるものをご紹介します。

 

温暖化が食に影響?育ちにくくなる作物

温暖化は環境に大きな影響を与えるものです。まずは気候の変化が想定されますが、それに伴う生態系の変化も大変な問題となります。

 

生態系に大きな変化があった場合、私たちの生活にも大きな影響があります。なぜなら、私たちの生活は生態系によって支えられているからです。特に食については、肉も魚も野菜も、すべて生態系によって育まれ、私たちはそこから食料として得ています。そんな生態系に変化があれば、私たちの食生活も変化を余儀なくされるのです。

 

既に農林水産省は、気温の上昇による作物への影響を「地球温暖化影響調査レポート」として発表しています。ここでは、温暖化による影響だけでなく、変化に対する適応についても詳しく記されています。

 

温暖化で食べられなくなる恐れがあるものは?

それでは、どのようなものが温暖化で食べられなくなると予測されているのでしょうか。私たちにとって身近なものから、ちょっと意外なものまでご紹介いたします。

 

・トウモロコシとお肉

温暖化によって、トウモロコシ、コムギ、ダイズなど主要穀物の生産量が既に低下しています。特にトウモロコシはその影響が強く、このままでは収穫できなくなってしまうかもしれません。

 

トウモロコシ、と聞いてあまり危機感を覚えない人も多いかもしれませんが、これは人類にとって致命的なことです。なぜなら、家畜たちはトウモロコシで育つことが多く、なくなってしまったら私たちの食卓から肉が消えてしまうかもしれないからです。

 

・漁業

肉だけでなく、海の幸も温暖化によって失ってしまう恐れがあります。どういう影響があるのかと言えば、気温の上昇により収穫できる魚の種類が北上していることが挙げられます。

 

ブリは日本海で多く獲れる魚でしたが、ここ最近では函館で収穫量が伸びています。サンマの収穫量も変化が見られ、このままでは日本で獲れなくなってしまうのでは、と懸念されています。

 

また、温暖化によって海の二酸化炭素の濃度が上昇してしまえば、貝類にも影響をもたらし、絶滅してしまうことも恐れられているのです。

 

・チョコレート

ちょっと甘いものが欲しいとき、手軽に口の中に放り込めるチョコレートは、世界中で愛されるお菓子でしょう。しかし、温暖化によってチョコレートも脅かされています。

 

チョコレートの原料であるカカオは、温かくて雨量の多い地域が生産地です。しかし、温暖化によってこのような生産地にも変化があり、土壌から水分が蒸発し、雨も降らなくなってしまうと考えられています。カカオの生産数は下がる見込みである一方、チョコレートの需要は増加しています。このような状況が続くと、チョコレートが手に入らなくなるかもしれません。

 

・ビール

温暖化によって大麦の生産量も低下しています。このままではビールも失われ、そのうち高級品になってしまうと考えられます。これは、仕事終わりの1杯を楽しみにしている人々にとって、絶望的なことでしょう。

 

さらにブドウの育成にも悪影響が出ていると言われ、ワインも同じように失われる恐れがあります。このままでは、気軽にお酒を楽しめなくなる時代がやってくるかもしれません。

 

・コーヒー

コーヒーも温暖化によって生産地に影響が起こっています。代表的な生産地であるエチオピアは、コーヒー豆の不作や品質劣化によって、栽培を断念する農家が増えるなど問題になっています。

 

また、商業的に使われるコーヒーはアラピカ種が多いと言われていますが、この種を生産する土地の半数が2050年までに温暖化によって環境が変化すると考えられています。そのため、コーヒーの生産量が下がると考えられており、これを業界では「2050年問題」と言われ、多くの人が危機感を抱いているのです。

 

温暖化で食の持続可能性は失われるのか

このように、多くの食が温暖化の影響で失われると考えられますが、これは一部の話でしかありません。さらに多くのものが温暖化によって失われると予測されているのです。私たちの次の世代、さらに次の世代が生態系の恵みを得て、今の食文化を継承できるよう、温暖化を軽減させる必要があるでしょう。

 

そのために、私たちはエコを心がけ、環境負荷を下げる努力が必要です。もし、ちょっとした節約や無駄を出さないエコアイディアが頭に浮かんだら、ぜひ「えことぴ」で共有してみてくださいね。