美しく壮大な自然は、世界遺産として世界中から注目されます。オーストラリアの海にある、グレート・バリア・リーフと言われる美しい珊瑚礁地帯も、そんな世界遺産の1つです。

 

しかし、グレート・バリア・リーフは環境問題によって失われてしまうのでは、と懸念されています。世界遺産であるグレート・バリア・リーフに、何が起こってしまったのでしょうか。

 

環境問題で消滅危機?グレート・バリア・リーフとは

オーストラリアの北東岸に、グレート・バリア・リーフは存在します。世界最大の珊瑚礁地帯で、総面積は344,400平方キロメートルと、宇宙からも確認できるほど、巨大な珊瑚礁地帯です。

 

珊瑚礁は生態系を育む場でもあるため、グレート・バリア・リーフの周辺は絶滅危惧種に相当する動物も生息しています。ジュゴン、アオウミガメなどの動物が、その代表的な例です。

 

このような自然的価値が評価され、グレート・バリア・リーフは1981年に世界遺産に登録されます。また、グレート・バリア・リーフの自然は大変美しいことから、観光地としても人気があります。巨大な珊瑚礁地帯でダイビングを行えば、海の自然の美しさを堪能できることでしょう。

 

そのため「グレート・バリア・リーフ海洋公園」として周辺の自然は保護されていますが、環境問題の被害により、失われる恐れがあるとされています。

 

グレート・バリア・リーフの珊瑚が環境問題で白化

グレート・バリア・リーフが抱える環境問題とは、珊瑚の減少です。珊瑚は限定された環境で生息しますが、それが乱れてしまった場合、白化という現象が起こり、ひどい場合は死に至ります。グレート・バリア・リーフの珊瑚も、この白化が進み、今後数十年以内に消滅してしまうと言われているほどです。

 

2016年は、激しい熱波によりグレート・バリア・リーフの珊瑚礁のうち93%が白化の影響を受けたと報告されています。これは、地球温暖化現象による水温上昇が原因と考えられていますが、その他の要因も注目されています。

 

例えば、オーストラリアでは農業で使用されている殺虫剤が、海に流出しているという問題があり、漁業による影響も指摘されています。他にも、ヒトデの天敵を乱獲したことで、珊瑚礁を食い荒らすオニヒトデが大量発生したことや、船舶事故による水質汚染など。人間の活動によって、グレート・バリア・リーフはダメージを負っているのです。

 

グレート・バリア・リーフの問題を解決する保護活動

このようなグレート・バリア・リーフの状況に対し、オーストラリア政府は5億豪ドルを保護活動に投じると、2018年5月に発表しました。これにより、農業による水質汚染やオニヒトデ発生の対策など、珊瑚礁の回復を目指します。ちなみに、5億豪ドルは日本円にすると、413憶円となります。

 

しかし、この問題は地球温暖化現象を解決しない限り、改善は難しいという指摘もあります。第24回気候変動枠組条約締約国会議(COP24)では、パリ協定のルールブックに対する合意が行われ、温暖化対策が本格化すると期待されていますが、温暖化は速いペースで進行しており、グレート・バリア・リーフ以外の自然にも、致命的な影響が出ているという現実があります。

 

グレート・バリア・リーフが消滅してしまう前に、私たちは温暖化を解決できるのでしょうか。

 

グレート・バリア・リーフのように自然が消えている

環境問題の悪化を食い止めるべく、国際的な取り組みは多く存在します。その中でも注目を集めているのがSDGsです。グレート・バリア・リーフのような貴重な自然が次々と消える中、私たちはSDGsのような目標を持ち、それを達成する取り組みを考えていかねばなりません。

 

環境負荷を削減できるような取り組みやアイディアがあれば、広く共有される必要があるでしょう。そのようなアイディアを思いついた場合は、ぜひ「えことぴ」でも共有してみてくださいね。