湖と言えば、青く透き通った水が広がっているようなイメージがありますが、ときとして緑色に染まってしまうことがあります。

 

この現象は、アオコの大量発生が関係しています。アオコとは、どのような状態で発生し、何が原因なのでしょうか。

 

湖や沼が緑色に染まってしまう、アオコについてご紹介します。

 

アオコとは?湖沼が緑色に染まる現象

 

アオコとは、湖や沼の水面が緑色に変化してしまう現象です。ペンキを流し込んだかのように、濃い緑色に染まるため、見たものに衝撃を与えることでしょう。アオコという名前の由来も、水面に青緑色の粉が撒かれたかのように見えるため、青粉(あおこ)と呼ばれるようになった、と考えられています。

 

この湖を緑色に変えているものの正体は、藍藻(らんそう)と言われる小さな藻類です。これが大量に発生し、水面に広がることで水が変色したように見えるのです。アオコの発生は、春から夏にかけて見られます。

 

また、藍藻はミクロキスティス属やアナベナ属など種類があり、それぞれの形が異なります。

 

アオコ発生の原因は?環境問題が関係か

アオコの原因となる藻類は、何が原因で発生するのでしょうか。

 

河川であれば、アオコは海に流れるため、藻類が増殖することはありません。つまり、水の出入りが少ない場所で、藻類は大量に増殖するのです。そのため、湖や沼、ダムといった場所でアオコは発生します。

 

また、水温が20度を超え、水中に多くの栄養分が多く含まれていることが、アオコ発生の条件です。湖や沼に含まれてしまう原因としては、人間の活動が関係しています。農薬や肥料、洗剤などに含まれる、窒素やリンが流れ込むことで、湖や沼の富栄養化(栄養が増え過ぎた状態)が進行します。これが藻類を増殖させることになり、アオコの発生となるのです。

 

アオコがもたらす被害とは

アオコが発生することで、いくつかの被害を生みます。

 

まず、水中の生態系のバランスが乱れてしまうことです。アオコが水面を覆うことで、水中には太陽光が届かなくなり、水中生物が光合成できず死滅することに。魚が産卵の場所とする水草もアオコの影響を受けてしまいます。

 

さらに、アオコの死骸が分解されるとき、水中の酸素が消費されます。大量のアオコが死滅し、分解されると、湖の生物のために必要な酸素が不足してしまうのです。また、アオコの種類には毒を放つものもあります。その毒は魚だけでなく、湖の周辺に生息する鳥類にも影響を与えてしまうのです。

 

そして、アオコは死滅してしまうと、異臭が発生します。ダムにアオコが大量発生したら、水道水に臭いが混じってしまうこともあります。

 

アオコのような問題を抑えるために

アオコは私たちの生活が原因と考えられ、その影響で生態系のバランスを崩してしまいます。そして、人々に多くの恩恵を与える生態系のバランスを崩すことは、私たちの生活を圧迫することにもつながります。

 

私たちはこのような環境破壊を起こさないため、環境負荷を抑える生活を心がけなければなりません。そんなとき、斬新なアイディアが必要になることもあります。もし、環境に優しいアイディアを思い出したら、ぜひ「えことぴ」で共有してみてください。