大規模な自然現象が街を飲み込んでしまう。映画でもなければ、そんな光景はなかなか目にしません。しかし、広い世界ではそんな大規模な自然現象が発生します。

 

ハブーブもその1つですが、どのような現象でしょうか。巨大な砂嵐、ハブーブをご紹介します。

 

まるで迫る砂の壁!ハブーブとは

乾燥地帯では、ハブーブと言われる強い砂嵐が発生します。ハブーブはアラビア語で「強い風」「現象」という意味で、世界中で知られています。

 

強い砂嵐のハブーブですが、私たち日本人では想像もつかないような大規模なものです。その幅は最大で100キロを超え、高さも数キロに達するもので、街を1つ飲み込みます。さらに、ハブーブは時速50キロというスピードで移動するため、発生すれば、巨大な壁が迫るかのような光景となります。

 

ハブーブに飲み込まれても、命を落とすことはありません。しかし、目や呼吸器を害する恐れがあり、ハブーブが頻発する地域は地下シェルターを用意し、そこに避難してやり過ごしています。

 

ハブーブが発生する仕組みは?

どのような仕組みでハブーブは発生するのでしょうか。

 

ハブーブは、下降気流、特にダウンバースト現象などの突風によって発生します。ダウンバースト現象は強い突風です。上昇気流によって形成された積乱雲が衰退期に入ると、降水粒子が周囲の空気に摩擦効果を働きかけ、下降気流を発生させます。その下降気流が地上に激突すると、局地的に強い風が発生し、災害をもたらすダウンバースト現象が発生するのです。

 

このとき、下降気流が弱まることなく、水平に向いてしまうと突風が発生します。これに砂漠の乾燥した土や砂が巻き上げられ、風に乗るとハブーブとなるのです。さらに、ハブーブは雷雨を伴うこともあり、泥の嵐を降らすケースもあります。

 

ハブーブはどこで発生する?

強烈な砂嵐、バブーブはどのような地域で発生するのでしょうか。

 

主に発生する地域は、アフリカの北部にあるサハラ砂漠、アラビア半島、クウェートやイラクです。これらの地域では、バブーブは夏の前触れとして、風物詩のように捉えられています。

 

他には、北アメリカの乾燥地帯も稀に発生します。アリゾナ州のバブーブは有名で、観光地としても有名なフェニックスが飲み込まれた際は話題となりました。

 

バブーブに飲み込まれてしまうと、光が遮断されてしまうため、昼間でも真っ暗になってしまいます。さらに、バブーブが過ぎ去った街は砂まみれに。そのため、過ぎ去った後は掃除をしなければならず、これも大変な作業となってしまうのです。

 

 

ハブーブのような現象が日本でも?

 

ハブーブは日本で発生するものではありませんが、昨今は世界中で異常気象が確認されています。日本でも大規模な台風が発生しますが、もしかしたらハブーブのような現象も発生するかもしれません。

 

異常気象は環境問題と関係がある、とも言われています。このような災害から身を守るためにも、私たちは環境問題を抑える努力をしなければなりません。もし、環境負荷を和らげるアイディアが浮かんだら、ぜひ「えことぴ」でシェアしてみてください。