南極の氷河が融解すると、海面が上昇し、沿岸の街に大変な被害をもたらすと言われています。

 

しかし、南極の氷河の下に、融解が原因と思われる巨大な空洞が発見され、注目を集めています。

 

この巨大な空洞は、何が原因で発生してしまったのでしょうか。

 

また、氷河の融解によって起こる影響についても考えてみましょう。

 

南極の巨大氷河が融解?真下に巨大な空洞

南極のワルグリーン海岸付近に「スウェイツ氷河」と言われる氷河が存在します。このスウェイツ氷河は、大変な問題を抱え、研究者たちに注目されています。

 

どのような問題なのかと言うと、スウェイツ氷河の真下にはニューヨークのマンハッタンの3分の2に及ぶ巨大な空洞があり、崩壊が懸念されているのです。この空洞には、140億トンの氷があったと考えられていますが、3年程度ですべて溶けてしまいました。

 

さらに、スウェイツ氷河の後退は現在も続き、このままでは崩壊が起こるとも言われています。スウェイツ氷河の崩壊は、世界に壊滅的な打撃を与えると考えられ、研究が行われています。

 

では、スウェイツ氷河の真下に空洞ができてしまったのは、何が原因なのでしょうか。

 

南極の巨大空洞が拡大する原因は温暖化か

スウェイツ氷河の真下にある巨大空洞は、何が原因なのか確実なことはわかっていませんが、関係していると思われるいくつかの現象があります。

 

1つは気候変動によって海や風が変化し、南極西部の沿岸に暖かい海水が増加していることです。さらに、この地域の下には、活発な火山の熱源があることもわかっています。

実は南極には火山が密集しています。南極西部には138個の火山が存在し、スウェイツ氷河にも影響を与えている恐れもあるのです。

 

他にも、海底に約40キロに及ぶ複数の溝が発見され、そこからスウェイツ氷河の基部に温度の高い海水が運ばれています。スウェイツ氷河は周辺の氷河や、内陸の氷も支えていると言われています。そのため、この空洞が拡大することで、スウェイツ氷河が融解した場合、連鎖的に崩壊が起こる恐れがあるとも言われているのです。

 

南極の空洞化が進むと海面上昇の影響も

スウェイツ氷河が融解してしまったら、どのような影響があるのでしょうか。

 

温暖化の進行具合や、降雪量にもよりますが、スウェイツ氷河は最短200年で消失すると考えられています。スウェイツ氷河がすべて融解すると、海面が60センチ上昇します。さらに、スウェイツ氷河の融解によって連鎖反応が起こり、南極の氷がすべて溶けたら、40~70メートル上昇するとも言われています。

 

イタリアのベネチアは観光地として有名ですが、水没の危機が懸念されています。もしそれだけ海面が上昇してしまったら、沈没してしまってもおかしくありません。それどころか、日本は関東のほとんどが海に沈んでしまい、世界中にある沿岸部の街も壊滅状態となるでしょう

 

そんな日がやってこないために、私たちは環境問題が悪化しないよう、意識する必要があるのです。

 

南極の空洞が広がらないためには?

このような地球規模で発生する環境問題に対し、個人ができることは、決して多くはありません。だからと言って、誰もが無関心であれば瞬く間に、私たちの生活は激変してしまいます。

 

まずは、どのような環境問題があり、それを解決するためにどんな取り組みがあるのか、関心を持つことが重要です。もし、興味深い環境問題や企業の取り組みなどあれば、ぜひ「えことぴ」で共有してみてください。