廃棄物による環境問題は、さまざまなものが原因となります。その中で、話題になりつつあるものが、紙おむつによる環境問題です。

 

紙おむつは、どのような問題を抱え、なぜ環境を破壊してしまっているのでしょうか。紙おむつによる環境問題をご紹介します。

 

紙おむつが環境問題に?プラスチック汚染の恐れ

これからは、高齢化が進み、介護職員の負担が大きくなると考えられます。介護職員の負担や子育ての支援のため、国土交通省は紙おむつを下水道に流して処分することに、許可を検討しています。高齢化、少子化が進む社会にとって、負担を軽減する対策ではありますが、これには問題があるという指摘もあるのです。

 

紙おむつは30~60%がプラスチックによって作られています。プラスチックは環境汚染の原因になるため、ここ数年で削減するべき、という考えが主流になりつつあります。そのため、プラスチックを含む紙おむつを下水道で処理することは、環境問題に対して後ろ向きの姿勢であると指摘されているのです。

 

国交省は、下水処理によって川や海を汚す心配はないと説明していますが、雨によって下水が溢れたとき、微細なマイクロプラスチックが処理場のフィルターをくぐりぬけてしまうのでは、と懸念されています。

 

紙おむつをリサイクルする技術が向上している

紙おむつによるプラスチック汚染が話題になっていますが、逆にリサイクル技術の向上も注目されています。

 

環境省は、紙おむつのリサイクルを促すガイドラインを、自治体が策定する方針を固めました。紙おむつは、一般ゴミや産業廃棄物として焼却処理することがほとんどですが、使用済みの紙おむつは水分を含んでいることから、負担が大きいと考えられています。さらに、使用済みの紙おむつをリサイクルすることは、衛生面のこともあって歓迎されていませんでした。

 

しかし、紙おむつをリサイクルし、新しい紙おむつを作る技術が進化しつつあります。使用済みの紙おむつであっても、リサイクルして新品同様の紙おむつを作るという技術が現実味を帯びているのです。そのような技術が向上すれば、紙おむつを下水道に流すことも、焼却処分する必要もなくなるかもしれません。

 

環境を守るために紙おむつを利用禁止にする国も

紙おむつを問題視している国は、もちろん日本だけではありません。南太平洋の島国、バヌアツは紙おむつに対して、徹底した対策を行っています。

 

バヌアツは環境に対する意識が高く、2018年にプラスチックのレジ袋を全面禁止としていますが、プラスチック製のスプーンやフォーク、マドラー、食品包装、さらに紙おむつの利用も禁止しました。バヌアツは首都ポートビラで最も量が多い家庭ゴミを調査しました。その結果、紙おむつが最も多いという結果が出たのです。

 

そのため、バヌアツは紙おむつを禁止することで、多くのプラスチックを削減できると考えました。今後、バヌアツがどれだけプラスチックを削減し、美しい環境を保てるのか、注目されることでしょう。

 

紙おむつはこれからの環境を左右するかもしれない

紙おむつは環境を汚染するので、リサイクルが望まれています。このように意外なものが環境問題になっている、というケースはこれだけではありません。

 

環境問題が悪化しないためにも、身近なものが自然を汚していたら、それを多く人に共有してください。なぜなら、問題を多くの人が知ることで、社会が変わる可能性があるからです。環境問題だけでなく、素晴らしいリサイクルやリユースの取り組みがあれば、ぜひ「えことぴ」に投稿してみてください。