休みの日は旅行に行ってリフレッシュしよう、と思いながら毎日の仕事を頑張っている人は多いのではないでしょうか。しかし、我々が観光を楽しむ度に、世界的な問題である温暖化が悪化する、と言われています。

 

観光はなぜ温暖化を悪化させてしまうのでしょうか。観光と環境問題の関係をご紹介します。

 

観光が温暖化を促進する?

温暖化が悪化する原因の1つは、人間活動による二酸化炭素の排出だと言われています。そんな二酸化炭素を観光業界によって大量に排出されていると指摘されているのです。

 

2018年、オーストラリアのシドニー大学の研究によると、観光事業による二酸化炭素の総排出量は、世界の温室効果ガスの8%を占めることがわかりました。観光は、交通やインフラ、飲食業界など多くの機会で、二酸化炭素が排出されています。

 

これは、観光業界だけではなく、人間の経済活動がどれだけ二酸化炭素を排出しているのか、ということにもつながることです。2020年に新型コロナウイルスが世界的な広がりを見せたことで、人間の経済活動が大きく制限されました。それにより、いくつかの環境問題が軽減された、という経緯もあります。私たちは、これからの生活を考え直す必要があるのかもしれません。

 

温暖化によって観光が不便に?

観光によって排出される二酸化炭素の中でも、代表的と言えるものが、飛行機による移動です。欧州では空の旅をやめよう、という動きが広まりつつあり、その発祥であるスウェーデンでは飛行機の利用を「Flygskam(英語でflight shame、日本語で飛び恥と訳される)」と表されるほどです。

 

そんな飛行機ですが、温暖化が悪化してしまうと、飛べなくなってしまう、という話もあります。コロンビア大学やNASAの研究によると、今後10年のうちに温室効果ガスの排出を抑制しなければ、暑い日には燃料や乗客を最大で4%削減しなければ離陸ができない、と指摘されました。この原因は、気温が上がると密度が低くなり、翼が生み出す揚力が小さくなってしまうことです。実際、アメリカのアリゾナ州では、気温が49度を記録した日、離着陸が見合わせるという事態がありました。

 

他にも、二酸化炭素が増加したことで、乱気流の発生が増加するとも考えられています。これも実際に起きた事件で、飛行機が乱気流に巻き込まれ、急降下したことで乗客らは天井に打ち付けられ、着陸後は病院に搬送されることに。これからは、飛行機による移動はさらに困難になってしまうことでしょう。

 

温暖化によって観光地が失われることも

観光によって温暖化が悪化してしまうだけでなく、観光地そのものが失われてしまう恐れもあります。温暖化によって、海面が上昇することは有名な話ですが、その他にも砂漠化や干ばつによって失われる観光地も存在するのです。

 

美しい珊瑚礁で有名な「グレート・バリア・リーフ」は温暖化によって、珊瑚礁が白化していると言われています。イタリアの観光地であるベネチアも、海面の水位が上がったことで、沈没してしまう恐れが。他にも、マーシャル諸島やハワイのワイキキビーチなど、多くの観光地が温暖化に関係し、消失してしまうのでは、と懸念されています。

 

私たちが観光を楽しむことで、観光地が失われてしまうとは、とても皮肉な話ではないでしょうか。観光の際は、自然を破壊することないよう、今後は注意しなければなりませんね。

 

恐るべし温暖化!観光が失われないために

観光は、私たちの心を癒してくれるものですが、このままでは大きく制限されることになるかもしれません。また、それは自然が失われることと同義であると言えるでしょう。

 

私たちは観光以外にも、自然から多くの恩恵を受けています。このようなことが増えてしまうことがないよう、私たちは多くの問題を知り、意識を変えていく必要があります。そのためにも、環境問題やリサイクルの取り組みを目にしたら、ぜひ「えことぴ」で共有してみてください。