日々の生活の中、ちょっとした息抜きとしてタバコを吸う人は少なくないでしょう。

 

しかし、そんなタバコがある限り、消えない問題と言えるのが「ポイ捨て」ではないでしょうか。

 

タバコのポイ捨ては、路上を汚してしまうだけでなく、実はとんでもない環境問題に影響しています。

 

タバコのポイ捨てと環境問題の関係をご紹介します。

 

環境問題の原因!ポイ捨てされるタバコの量

日々、世界中でタバコの吸い殻がゴミとして発生しています。

 

イギリスの健康推進団体であるASH(Action on Smoking and Health)の調査によると、世界中で約6兆個のタバコの吸い殻が毎年発生しています。

 

さらに、そのうち4兆5,000億がポイ捨てによるものと言われているのです。

 

タバコは小さいことから、それをポイ捨てしたところで、大きな問題になることはないだろう、と感じてしまうかもしれません。

 

しかし、世界規模で考えると、決してそうは言っていられないのです。

 

タバコを吸うのであれば、責任を持って吸い殻を処理する必要があります。

 

そうでなければ、環境問題に発展してしまうものです。実際に、タバコによる環境問題はいくつも確認されています。

 

タバコのポイ捨てによる海の環境問題

昨今、プラスチックによる環境問題が、世界中で問題となっています。

 

特に海洋汚染は顕著であり、2050年になると海には魚よりも、プラスチックの量が勝るのでのはないかと考えられているほどです。

 

プラスチック汚染を改善するため、プラスチックストローの廃止、レジ袋の有料化といった、さまざまな取り組みが行われていますが、これは簡単に解決できるものではありません。

 

深刻と言えるプラスチック問題ですが、タバコのポイ捨てが大きく関わっています。

 

実は、タバコのフィルターはプラスチックの粒子で作られています。

 

そのため、ポイ捨てされたタバコは、雨が降って下水溝や河川に流れて、海にたどり着くのです。

 

そして、これは環境を汚染するだけでなく、私たちの健康にも影響してしまうと考えられています。

 

タバコのポイ捨てが環境問題に関係する理由

タバコに含まれている成分の中でもニコチンは有名ですが、他にもヒ素や鉛、クロム、銅、カドミウムといったものも含まれています。

 

これらは、タバコが栽培される際に使われる殺虫剤や除草剤の成分、タバコをくるむ紙を漂白する薬剤などが残ったものです。

 

この有害物質の何が恐ろしいのかと言うと、ヒ素のような有害物質が、分解されにくいタバコのフィルターに乗って自然界に拡散されていることです。

 

タバコのような小さいプラスチックは、マイクロプラスチックと言って、微細な破片となって自然を汚染します。

 

マイクロプラスチックは非常に小さいため、処理も難しく、魚が誤食してしまって食物連鎖に入り込み、人体にも入り込むという、恐ろしいことが起こってしまうのです。

 

つまり、タバコをポイ捨てするということは、自然環境を汚染するだけでなく、その害は人間に戻ってくることになります。

 

さらに、タバコとはまったく無縁の人にまで危害を及ぼします。

 

小さなゴミをポイ捨てする程度なら、誰にも迷惑をかけていない…と考えてしまうかもしれませんが、決して小さな問題ではないということなのです。

 

タバコのポイ捨てと環境問題について考えてみよう

タバコによる環境問題は、ちょっと面倒だという気持ちから始まるものだと考えられます。

 

しかし、それによって自然環境から生態系を汚染してしまう問題に発展します。

 

このような人間の怠慢が大きなことに発展してしまうことは少なくありません。

 

もし、このタバコのポイ捨て問題に近い環境問題を体験したことがあれば、ぜひ「えことぴ」で共有し、できるだけ多くの人に警鐘を鳴らしてみましょう。