世の中には、便利になったからこそ、環境を汚染しているケースが多く存在します。その1つとして挙げられるものが、コンタクトレンズです。

 

コンタクトレンズは視力が低下した場合、とても役に立つアイテムですが、環境問題に影響します。コンタクトレンズがもたらす環境問題をご紹介します。

 

捨て方に注意!コンタクトレンズが環境問題に

アリゾナ州立大学の調査によると、コンタクトレンズの利用者はアメリカだけで約4,500万人と、多くの人が必要としていることがわかっています。コンタクトレンズは着脱が便利で、コンパクトで持ち歩きも容易であることから、利用者が多いことも納得の結果です。

 

しかし、多くの人がコンタクトレンズを使用している、ということは、それだけ多くのコンタクトレンズが捨てられている、とも考えられます。実際、コンタクトレンズが環境問題を引き起こしている、と話題にもなっているのです。

 

アメリカでは河川に、廃棄されたコンタクトレンズが大量に蓄積され、生態系に悪影響をもたらすと恐れがあるとわかりました。多くのコンタクトレンズが河川に流れ出てしまった原因とは、何が考えられるのでしょうか。それは、コンタクトレンズの捨て方が大きく関わっているようです。

 

洗面所やトイレに流す?間違ったコンタクトレンズの捨て方

皆さんはコンタクトレンズを捨てるとき、ちょっと楽な方法を選んでしまうことはないでしょうか。コンタクトレンズを適切な方法で処分しないと、環境問題になってしまうことがあります。

 

アリゾナ州立大学がインターネットで、コンタクトレンズ利用者400人を対象にアンケートを取った結果、5人に1人が使用済みのコンタクトレンズを洗面所の流し、もしくはトイレに流して捨てていることがわかりました。それにより、下水に流れるコンタクトレンズは、年間で最大3億枚に達するほどと考えられています。

 

洗面所の流しやトイレにコンタクトレンズを捨てた場合、下水を流れて処理場にたどり着きますが、その過程で分解されず、小さな破片となって残ってしまうことがあります。

 

そして、微細なコンタクトレンズの破片は自然界にまで流れ出し、環境汚染の原因となるのです。

 

コンタクトレンズの破片が自然に流れ出しただけで、大した影響はないだろう、と考える人もいるかもしれません。しかし、これは私たちの健康にも関わるような、大変な環境問題の原因となっています。

 

間違った捨て方がコンタクトレンズをマイクロプラ問題に

自然界に流れ出したコンタクトレンズがもたらす問題とは、プラスチックによる環境汚染です。プラスチックによる環境汚染は世界中で問題視され、さまざまな対策が取られています。中でも、レジ袋の有料化や飲食店のストローが制限するといった取り組みは、記憶に新しいでしょう。

 

自然界に流れ出したプラスチックは、動物が誤飲してしまい、食物連鎖に入り込むことで人の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、自然界で分解されにくい特性があるため、2050年には海の中のプラスチック量が魚に勝るとまで言われるほど。

 

コンタクトレンズもメタクリル酸メチル、シリコン、フッ素重合体など柔らかいプラスチックによって作られています。そのため、コンタクトレンズを誤った方法で処分すると、自然界に流れ出し、生態系を巡って私たちの体に入り込み、健康を害する恐れがあるのです。

 

コンタクトレンズの捨て方は正しく

このような状況を防ぐためには、コンタクトレンズを始め、ゴミは正しく処分する必要があります。プラスチック製品は大量生産しやすく丈夫であることから、大変便利なものばかりです。

 

しかし、ちょっとした気の緩みで誤った方法で処分してしまうと、環境問題を悪化させてしまいます。コンタクトレンズを処分する際、楽だからという理由で洗面所の流しやトイレに捨ててしまおう、と考えることがあるかもしれません。

 

そんなときは、大きな問題につながってしまうことを、ぜひ思い出して正しい処分を心がけてくださいね。